不妊症検査について(1)☆基礎体温表 基礎体温の測定は不妊症の患者さんにとって 排卵の有無の確認・排卵日の確定。黄体機能の測定・ 妊娠の早期診断・検査の日取りを決めるために非常に 大切なものです。 基礎体温は、月経から排卵までの間は低温相で、 排卵後は高温相となります。高温相が6日以上持続すれば、 排卵は存在したと考えてまず間違いなく、排卵の有無の診断 および黄体機能の推定に最も簡単な方法です。稀に排卵せずに 高温期になることがありますが(黄体化非破裂卵胞) これは診断時に卵胞を確かめて分かることであり、 気にする必要はありません。 基礎体温の測定は朝、目が覚めてすぐに(ベッドから 起きないで)口にくわえて測ります。測った基礎体温は、 毎日基礎体温表に記入して下さい。基礎体温表には、月・日・ 月経周期(月経初日から何日目にあたるか)・月経・帯下・ 性交日など、なるべく詳しく記入し,診察時には忘れずに 持参して必ず提示しましょう。 ☆血液検査 『末梢血検査と血沈』 不妊の原因となるような明らかな器質的疾患が ないかどうかを確認するものです。まれに、白血病・ 特発性血小板減少症・アレルギー疾患・感染症などが 見つかる事があります。 『TRH負荷試験』 潜在高プロラクチン血症が不妊を引き起こすことがあると 言われています。しかし、現在のところその原因はハッキリ していません。潜在高プロラクチン血症は普通の採血では 判明しませんので、TRHというホルモンを負荷して血中の プロラクチン値の上昇を見ます。 『CA125腫瘍マーカー検査』 もともと卵巣嚢腫の腫瘍マーカーとして開発された モノクローナル抗体による抗原検査ですが、子宮内膜症において 高値を示す事が分かっており、子宮内膜症の示標として使われて います。子宮内膜症は骨盤内の癒着などを引き起こしたり、 免疫系に異常を引き起こして不妊の原因となります。ただし、 この検査は生理中に測定すると高値になりやすいので、 月経以外の時期に測定します。 『黄体ホルモン検査』 高温期に十分な黄体ホルモンが出ているか測定する検査 です。子宮内膜検査と同時に行います。 ☆子宮内膜組織診 子宮内膜は子宮の中にある組織で、妊娠すると赤ちゃんの ベッドとなるものです。その子宮内膜が、赤ちゃんのベッド として適した状態にあるかどうかを検査するのが、子宮内膜 検査です。 検査の時期としては、ちょうど着床の時期、すなわち基礎体温が 高温になって5~6日目に行います。 検査方法は、子宮の入り口から機械を入れて子宮内膜の一部を 採取します。感染が問題になるので、検査当日は激しい運動・ 入浴(シャワーは結構です)・夫婦生活は出来ません。検査後に、 抗生物質が処方されます。 |